『風水』、この占術は今や比較的ポピュラーな存在となっているが神社や仏閣のような宗教的モニュメン |
トは、風水建築が如実に現れる・・・。 |
ここでは、『風水』の基本とも言うべき、四神について触れたい。 |
先日、神田明神(神田神社)に参拝したときのこと、随身門を観察すると獣の彫刻が施されている事に |
気が付く。 |
正面入り口に綺麗な孔雀に似た鳥の彫刻、さらに随身門をくぐると亀に蛇が絡まっている彫刻、さらに |
向かって左側の側面には虎の彫刻、そして右側側面には龍の彫刻が施される。 |
神社や寺院をはじめとする宗教建築に施される彫刻などのレリーフは、当然のことながら占術的な意 |
味合いをもっているものが多い。(殆んどそうと言って良いのではないだろうか) |
神田明神の随身門の彫刻を解説させていただくと、これら四体の獣は、四神といって東西南北を表す |
風水占術に基づく、方位の象徴の神獣である。 |
まず北の象徴、玄武(写真1)亀に大蛇が絡み付いている、なんだか凶暴そうな亀がで表される、次に |
南の象徴は朱雀(写真2)、火の鳥と言ったイメージだが厳密には似て非なるもの、さらに西の象徴は白 |
虎(写真3)、文字通り白い虎、最後に東の象徴は青龍(写真4)、おそらく皆さんが想像する東洋的な龍 |
である。 |
これらを風水占術では四神と呼ぶ。 |
四神のレリーフは神社参拝の折、度々見かけるが、それは方位磁石で図ると各方位にピタリと当ては |
まるように施されているはずである。 |
この四神は地相占術にも当てはめられ(こちらの方が風水ではメイン)各神獣は、地象を意味する。 |
北の玄武、これは山を意味し、南の朱雀、平野または低地を意味する、さらに西の白虎は大道を意味 |
し、東の青龍は河川を意味する。 |
これがすべて整っている場所が吉相地とされ、それを『四神相応』と呼び、時の為政者達は、政治の中 |
心地(つまり首都)をそこに置きたがる。 |
東京(江戸)、鎌倉、平安京、平城京みな四神が宿る吉相地に政治拠点は置かれる。 |
また、都市ほど大規模でない四神相応の吉相地は、大抵、寺社が置かれている。 |
そういった理由から、山をご神体とする神社は、北を背後に社殿が建立され南向きが多い。 |
方位磁石持参でそういった、風水的な見方をすると、また違った神社巡りが楽しめるのではないだろう |
か。 |
余談ではあるが、神田明神参拝後の事、文京区にある後楽園周辺を通った時、玄武らしきモニュメント |
を発見してしまった。 |
文京区役所庁舎が玄武の頭、東京ドームがその甲羅、さらに後楽園遊園地のジェットコースターが大 |
蛇に見える。 |
さて、後楽園周辺で構成される巨大玄武を北と見る為政者の拠点は・・・。 |
地図からすると、『皇居』である、世界有数の超近代都市『東京』は、現代でも風水的要素で設計されて |
いるのではないだろうかと思うのは、私だけだろうか・・・。 |