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秩父市街の中心部に鎮座する、秩父総鎮守、『秩父神社』。
交差点前に一の鳥居はあり、時折、往来の人が鳥居前で会釈をし通り過ぎる。
鎮守の杜としての崇敬の深さうかがえる。
境内に入ってすぐ手水舎がある、ここで身を清める。
瓦葺、朱塗りの楼門、ここまでは普通の神社の印象。
立派な唐破風の本殿。
この社殿は、極彩色の彫刻群で有名だ。
彫刻をしばし見入る。
破風の下に恵比寿さま、大黒さま。
左甚五郎作、『子育ての虎』
狩野派では複数の虎を描く時、一匹のヒョウを入れるのが流儀、右側の母虎がヒョウで描かれる。
この社殿を寄進した徳川家康公は寅の年、寅の月、寅の刻生まれそれにちなんだ虎(寅)の彫刻である。
これも左甚五郎作、『つなぎの龍』
本殿東側の彫刻で風水でいう四神相応で東方の守護神の青龍である。
近くの天が池の龍が暴れる時必ずこの彫刻の下に水溜りが出来る・・・。
この龍が抜け出して暴れていたそうである、ゆえ鎖でつながれている、愛嬌ある顔なのだが暴れん坊か・・・。
本殿真後ろに位置する『北辰の梟』
明治時代の神仏分離令以前は妙見菩薩を奉っていたこの社だが妙見菩薩は北極星の化身・・・。
梟は今日も北極星、妙賢菩薩をみすえている。
『お元気三猿』
三猿といえば日光東照宮、神厩舎の『見ざる、言わざる、聞かざる』だが・・・。
『お元気三猿』は『よく見、よく聞いて、よく話そう』表情もお元気そのものである。
最後に紹介する彫刻は『瓢箪から駒』
彫刻群の中で、私の一番のお気に入り、表情がなんともいえない・・・。
ことわざの『瓢箪から駒』の意は、意外な所から意外な物が出ること、到底ありえない事の例え。
到底ありえないようなご利益を期待しつつ、しばし彫刻に魅入る。
彫刻三昧の秩父神社は秩父三社(秩父神社、三峰神社、宝登山神社)のひとつ。
権現造りの社殿は天正20年(1592年)徳川家康公にて寄進、造営。
昭和41年に台風で損傷するも解体復元、同時に彫刻群も極彩色に復元し昭和45年に竣成。
毎年12月2日、3日に行われる秩父夜祭は、京都祇園祭、飛騨高山祭と並ぶ日本三大曳山祭りである。